蜂の子の基礎知識

蜂の子やスズメバチを使った郷土料理

蜂の子料理で有名な地域といえば中部地方ですが、同じ蜂の子を使った料理でも地域によってさまざまなバリエーションがあります。

そこで蜂の子を使ったさまざまな郷土料理について、ご紹介いたします。

岐阜県東濃地方の「へぼ料理」

岐阜県の東濃地方は蜂を使った郷土料理が有名な地域で、蜂を使った料理は「へぼ料理」と呼ばれ、地元の人たちから親しまれ愛され続けています。
「へぼ」は地蜂であるクロスズメバチのことで、へぼ料理には蜂の子をご飯に炊き込んだ「へぼめし」や、蜂の子と五平餅を組み合わせた「へぼ五平」、香ばしい食感が特徴のへぼの甘露煮などがあります。

へぼめしや甘露煮には幼虫である蜂の子だけでなく、蛹や成虫も入れられることがあり、幼虫や蛹は弾力があり濃厚な味わいで、成虫はカリッとした食感が楽しめるなど、それぞれの食感・味の違いが楽しめるようになっています。
また五平餅の味噌だれはすりつぶした蜂の子が混ぜられており、香ばしい香りと甘く濃厚な味わいが特徴となっています。

長野県の蜂の子料理

長野県では伊那谷や諏訪地方を中心に各地で蜂の子を使った料理が愛されており、スーパーでは蜂の子を巣ごとラップしたものが販売されるなど、現在でも秋の味覚として、また身近な食品として親しまれ続けています。

長野県の蜂の子を使った料理には蜂の子ご飯や蜂の子の佃煮や甘露煮、炒った蜂の子などがあり、各家庭で味付けが異なります。
特に愛されているのが醤油、砂糖、みりんで煮つけた蜂の子の佃煮や甘露煮です。
これをご飯に混ぜ込んだ、蜂の子ご飯も人気があります。
使用する蜂の子は地蜂であるクロスズメバチ が多く、オオスズメバチやキイロスズメバチなど、とれたものを使うこともあります。

クロスズメバチは「すがれ」や「すがり」などと呼ばれ、夏から秋にかけては「すがれ追い(すがり追い)」と呼ばれる伝統的なハチ追いが行われます。
蜂の子を味わうだけでなく、とる楽しみもセットで愛されている郷土料理です。

愛知県三河・尾張地方の蜂の子料理

愛知県の三河・尾張地方ではさまざまな蜂の子の伝統料理があります。
春や秋のお祭りには蜂の子を使った箱ずしがお祭りのごちそうとして作られ、奥三河地方では五平餅のたれに混ぜ込んだり、蜂の子ご飯にしたりと他の地域と同様愛され、お祭りでは「へぼ飯」や「へぼ五平」の屋台が出ることもあります。

クロスズメバチは「へぼ」と呼ばれ「へぼの箱ずし」はこの地域に欠かせない伝統的な郷土料理です。
へぼの箱ずしは蜂の子を甘辛く煮つけ、季節の野菜や炒り卵、しいたけの煮つけなどとともに酢飯の上に斜めにのせ、最後にしっかりと押して食材と酢飯がなじむようにして作られます。

へぼ飯には岐阜県の東濃地方と同様、蜂の子だけでなく蛹や成虫も入れられることがあり、それぞれの味や食感が楽しめるようになっています。

蜂の子料理は昔の人だけが楽しんでいた料理ではなく、今もなお郷土料理としてしっかりと各地に根付いています。
都会では滅多に目にかかれないのが蜂の子料理です。
秋には上記地方を訪れてみてその味を確かめてみてはいかがでしょうか?